LibreOffice導入で年間コストをどのくらい削減できるか?シミュレーション付き

「Microsoft Officeのライセンスコストが毎年かさんでいる」「LibreOfficeに切り替えたらどのくらい削減できるのか、数字で知りたい」——そんな担当者の方に向けた記事です。

本記事では、企業規模別のコスト削減シミュレーションと、導入に際してかかる費用の考え方(TCO:総所有コスト)を具体的に解説します。

注意:本記事に掲載するシミュレーションはあくまで参考例です。実際のコスト削減額を保証するものではありません。Microsoft Officeの最新価格はMicrosoft公式サイトでご確認ください。


Microsoft Officeにはどのくらいのコストがかかっているか

Microsoft 365のビジネス向けプランには複数の種類があります。

最も普及しているMicrosoft 365 Business Standardを例に取ると、2026年4月時点の参考価格は1ユーザーあたり月額1,874円(税抜)です。

プラン名(参考) 月額(1ユーザー・税抜) 年額(1ユーザー・税抜)
Microsoft 365 Business Basic 899円 10,788円
Microsoft 365 Business Standard 1,874円 22,488円
Microsoft 365 Business Premium 3,298円 39,576円

※上記は2026年3月時点の税抜参考価格です。Microsoft 365は2026年7月に価格改定が予定されています。最新価格はMicrosoft公式サイトでご確認ください。

例えばBusiness Standardプランで50名分のライセンスを契約した場合、年間約112万円(1,874円×12ヶ月×50名)のライセンスコストが発生します。

このコストは毎年発生し続けるため、5年間で約562万円になります。

「毎年これだけの費用を払い続けることは適切か」と感じている経営者・担当者が、LibreOfficeへの移行を検討するきっかけになっています。


LibreOfficeのコストはどのくらいか

ライセンス費用:0円

LibreOfficeはオープンソースソフトウェアであり、ライセンス費用は無料です。

何名分インストールしても、ライセンスコストは発生しません。

これがLibreOfficeの最大のコストメリットです。

導入にかかる費用の内訳

ライセンスは無料ですが、企業として適切に導入・運用するためには以下の費用が発生します。

費用項目 内容 備考
現状調査・移行計画費用 現状のOffice利用状況調査、移行計画策定 導入時に1回発生
インストール・設定費用 全社へのインストール、設定、テンプレート整備 導入時に1回発生
マクロ・ファイル対応費用 既存VBAマクロの動作確認・修正、重要ファイルの互換性検証 マクロ利用状況によって変動
社員研修費用 操作研修の実施、マニュアル・FAQ整備 導入時と必要に応じて追加
運用サポート費用 ヘルプデスク対応、トラブルシューティング、バージョン管理 月次または年次契約
長期サポート(LTS)費用 Collabora Productivity社の企業向け安定版サポート 年次契約。セキュリティパッチ提供を含む

これらの費用を含めて試算しても、企業の状況によっては、LibreOffice導入のTCOがMicrosoft 365の年間ライセンス費用を下回るケースがあります。

重要なのは、「ライセンスが無料だから費用ゼロ」ではなく、「移行・運用に必要なコストを含めて計算する(TCO思考)」という考え方です。


企業規模別コスト削減シミュレーション(参考例)

以下は、Microsoft 365 Business Standard(月額1,874円/ユーザー・税抜)からLibreOfficeへ移行した場合のライセンスコスト削減の参考試算です。

重要な注記:以下の数値はライセンスコストのみの試算であり、移行・研修・サポート費用は含みません。また、これらは参考例であり、実際のコスト削減額を保証するものではありません。

10名規模の場合

項目 Microsoft 365(参考) LibreOffice
年間ライセンス費用 約22万円 0円
5年間累計 約112万円 0円
5年間でのライセンス削減額(参考) 約112万円

50名規模の場合

項目 Microsoft 365(参考) LibreOffice
年間ライセンス費用 約112万円 0円
5年間累計 約562万円 0円
5年間でのライセンス削減額(参考) 約562万円

200名規模の場合

項目 Microsoft 365(参考) LibreOffice
年間ライセンス費用 約450万円 0円
5年間累計 約2,250万円 0円
5年間でのライセンス削減額(参考) 約2,250万円

ユーザー数が増えるほど、ライセンスコストの差は大きくなります。

200名規模では5年間で2,000万円超のライセンスコストがかかっており、LibreOfficeへの移行はコスト構造を見直す手段として検討する価値があります。

なお、上記試算はMicrosoft 365 Business Standardを基準としています。

企業によってはより上位プランを使用しているケースもあり、その場合はライセンスコストの差がさらに大きくなります。


TCO(総所有コスト)の考え方

ソフトウェアの費用対効果を正確に評価するには、ライセンス費用だけでなく「TCO(Total Cost of Ownership:総所有コスト)」で比較することが重要です。

LibreOfficeのTCOには以下のコストが含まれます。

  • 導入コスト(初期) — 現状調査・移行計画・インストール・設定・テンプレート整備
  • 移行対応コスト(初期) — マクロ修正・ファイル互換性対応
  • 教育コスト(初期〜継続) — 社員研修・マニュアル整備
  • 運用コスト(継続) — ヘルプデスク・バージョン管理・トラブルシューティング
  • サポートコスト(継続) — 長期サポート(LTS)契約

これらを加味した場合、企業の状況によっては、LibreOfficeへの移行によるTCOがMicrosoft 365継続使用のTCOを下回るケースがあります。

ただし、業務の複雑さ・マクロの利用状況・クラウド連携の深さによって結果は異なります。

自社のTCOを正確に算出するには、現状の利用実態を把握した上での試算が必要です。


コスト削減を確実にするために:専門家のサポートを活用する

「LibreOfficeにしたら安くなるはずが、移行で手間がかかって結果的に高くついた」という失敗を避けるためには、移行計画の段階から専門家の支援を受けることが効果的です。

アイティワード株式会社では、移行・研修のコストを含めたTCOの試算についてもご支援しています。

自社の状況に合わせた具体的な数字を把握した上で、導入を判断することが可能です。

専門サポートを活用することで得られるメリットは以下のとおりです。

  • 移行リスクの低減 — 事前調査によりマクロ・互換性問題を洗い出し、対処方針を事前に策定します。
  • 移行期間の短縮 — 経験に基づいた効率的な移行プロセスにより、全社展開までの期間を短縮できます。
  • 社員習熟の支援 — 業務に特化した研修で、操作習熟をサポートします。
  • 導入後の安心感 — 運用中のトラブルを迅速に解決できるサポート窓口があることで、現場の不安を解消します。
  • 長期的なコスト最適化 — セキュリティパッチの適切な適用・バージョン管理により、運用リスクを継続的に低減します。

「まずコスト試算の相談をしたい」「自社に導入できるか判断したい」という段階からお気軽にご相談ください。

詳しいサービス内容はアイティワードのLibreOfficeサポートサービスページをご覧ください。


まとめ

LibreOfficeへの移行によるコスト削減効果をまとめると、以下のとおりです。

  • ライセンス費用はゼロになる(年間:10名約22万円、50名約112万円、200名約450万円の削減が参考値)
  • 移行・研修・サポート費用は発生するが、企業の状況によってはMicrosoft 365のライセンス費用を下回るケースがある
  • 5年間のTCOで比較すると、ライセンス削減効果はさらに大きくなる
  • 専門家サポートの活用により、移行リスクとコストを最小化できる

LibreOfficeの導入はコスト削減の有力な手段ですが、「計画なき移行」はかえってコストを押し上げるリスクがあります。

まずは現状調査と専門家への相談から始めることをお勧めします。

具体的な移行ステップについては「LibreOffice導入ガイド:企業がMicrosoft Officeから移行するための完全マニュアル」をあわせてご覧ください。